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-重心移動の関連トピック -

 #07 ピッチとストライド 走行中の速度を考える

 

「ピッチ」や「ストライド」という言葉で通常良く耳にされる言葉は「ピッチ走法」とか「ストライド走法」という使い方が多いかもしれません。ここではその走法の違いを気にしないで、その数値の重要性について解説したいと思います。

「ピッチ」とは通常脚が出るペースやテンポのことをいいます。ご自身の走行中の1分間の歩数は何歩でしょうか。

「ストライド」とは1歩の長さを示します。「ストライド長」とも言います。相対的な比較をするために、その長さが身長の何%にあたるかで比較をします。

さて、走る速度は以下のように考えることができます。

   [ 分速(m/分) ] = [ 歩幅(m/1歩) ] × [ テンポ(歩/分) ]

「ラクに走りきる」、即ち、少しでも短い時間で走りきることに焦点を当てるとすると、歩幅(ストライド長)とテンポ(ピッチ)の適正化を考えることに結論がありそうです。


ある研究所のお話しでは野口みずき選手の「ストライド長(歩幅)」は身長比140%にもなるといいます。計測した時の距離や速度は不明です。トライアスロンのWorldCup(ランパートは10km)の女子優勝者クラスで身長比100%であったという話も伺ったことがあります。

また、多くの研究所(運動生理学の現場やシューズメーカーの研究部門など)で統計をとった結果、180〜200歩/分というランナーが非常に多いことがわかっています。大抵のランナーはこの数値の中に入ります。180〜200歩/分という「ピッチ(テンポ)」の数値は人間にとって自然な数値だと解説されています。

先ほどの速度を求める式の中で、[ テンポ(歩/分) ]の数値はこのようにある程度決まった数値(180〜200)になるため、まず180歩/分より少ない方は180歩/分にする必要があります。意外や意外、 180歩/分より少ない方がテンポだけを増加させようとすると「走るのがラクになった」と開口一番に口にするでしょう。そして、無理なストライド長を稼ごうとしていたことを認識するハズです。

週末に小型の携行型メトロノームを買い求め、走って試してみて下さい。

ピッチ_グラフ
統計データイメージ

 

 


 

速度は、歩幅とテンポのかけ算であることがわかっていると申し上げました。
もし適正なテンポ(180〜200歩/分)で走れているならば、速度の向上のためには、歩幅の改善に焦点を当てる必要があることが明白になります。これは「フルマラソンをラクに走る技術」の核心の一つです。

歩幅を改善するためにはどうすればいいのでしょうか。焦ってつま先を使って地面をキックするようなフォームにしないでください。「つま先を使わないで走る」という重要なテーマを守るとすると、速度の調節は「前傾」の程度でコントロールします。

前傾を深めることで前へ進む力をより大きくすることができることを知ってください。そして前傾を深めるためには体を一直線に保つテクニックが必要である理由も再認識してください。

 

前傾姿勢の比較イメージ図

体の骨格が大きいと有利なのか!?

テンポを意識した走りをお試しになって少しすると、ちょっとした疑問をもたれた方もいらっしゃると思います。上記の式でテンポ=180〜200(歩/分) という数字が自然数字で、半ば定数のように表現しました。

ということは歩幅の大きい人(脚の長い人)が有利ではないか!?と解釈するのは当然です。身長に占める脚の割合の大きい欧米人は、同じ身長の日本人より脚も長いし、ましてや身長自体が大きいので日本人は不利じゃないか!?という疑問もごもっともです。

ここで関係してくるのが体重です。VO2MAX(最大酸素摂取量)と記録との相関関係について、少し難しくなりますが、ある統計の結果から解説します。

10km/ハーフ/フルマラソンの記録と、VO2MAXの絶対値(リットル/分)には相関関係は見られないが、体重で割った相対値(リットル/kg/分)との相関関係は成立するとのこと。
すなわち、骨格が長ければよいというものではなく、体重1kgに対する酸素摂取能力の高い方が有利だという結果です。 直接骨格の長さに関係しないで、単位体重毎の酸素摂取量数値が現象を上手く説明できています。

なおストライド長(歩幅)を拡大する工夫としてできるポイントを挙げるとすると、身長に対する脚の長さは改善することはできないので、股関節の柔軟性や稼働域の広さの改善を目指してストレッチに日々励むことは、良い影響を与えると考えられます。

ランニングスクールにはVO2MAXの測定と測定をもとにした運動処方の提供も行うタイプがあります。
是非挑戦してみてください。

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